ダー?!ログへようこそ

世界の「今」を、ジャーナリスティックな視点でお届けします。2026年4月から本格スタートしました!

話題ネタ・新着

ガジェット・新着

ゲーム・新着

アニメ海外の反応・新着

リアル英単語・新着

2026年5月5日火曜日

PS1風ソウルライク『Memoirium』 芋は引っ込んでろ、ベテラン勢が評価するシビアな戦闘システム

次世代レトロ・ソウルライク『Memoirium』がインディー界を席巻する理由

【概要】次世代レトロ・ソウルライク『Memoirium』がインディー界を席巻する理由

最近のアクションRPG界隈、特に「ソウルライク」と呼ばれるジャンルでは、AAA級(大規模予算)のタイトルがグラフィックの美しさで激しい競争を繰り広げています。実写と見間違うようなリアルな映像が当たり前になる一方で、その反動として全く逆のアプローチをとるインディーゲームが注目を集めています。それが、あえて初代PlayStation(PS1)時代のような粗いローポリゴングラフィックを採用した「レトロ・ソウルライク」というジャンルです。

その中でも現在、海外のコアゲーマーたちの間で爆発的に話題になっているのが『Memoirium』です。フィリピンの個人開発者であるGoldenGratus氏が2022年から情熱を注いできたプロジェクトで、大ヒットゲーム『Among Us』のパブリッシャーであるOuterslothの資金援助を受けたことで、一気に世界に向けた本格的な商業タイトルへと進化しました。2026年4月にラスベガスで開催された「LevelUp Expo」に合わせて配信された体験版デモは、ソウルライクのベテランプレイヤーたちによる厳しい検証の的となりました。2026年8月13日のPC(Steam)向け正式リリースを前に、このゲームがなぜここまで熱狂的に支持されているのか、その中身を詳しく見ていきます。

独自の「ストレス」システムと計算された戦闘デザイン

ソウルライクといえば、敵の攻撃をギリギリで回避したり、距離を取ってスタミナを管理するのが基本の立ち回りです。しかし『Memoirium』は、その常識を根底から覆す「ストレス」システムという独自の戦闘システムを導入しています。このゲームでは、敵から逃げるのではなく、あえて敵の攻撃に向かって回避(ドッジ)したり、正面から完璧なタイミングで攻撃を弾いたりすることが推奨されます。

こうしたリスクの高い近接アクションを成功させると、敵に「ストレスダメージ」が蓄積します。そして限界を超えると敵の体勢が崩れ、大ダメージを与える致命の一撃を叩き込める仕組みです。つまり、遠くから様子を見るような消極的なプレイは徹底的に不利になるように計算されています。

また、アクションの精密さを保証するため、開発陣は当たり判定のシステムを根本から作り直しました。単純な四角形の判定ではなく、プレイヤーや敵のキャラクターの各部位(手足や胴体など)に直接沿った「カプセル型の当たり判定」を導入したことで、理不尽なダメージを受けるフラストレーションが激減しています。

魔法(ゲーム内ではララバイと呼ばれます)の扱い方も独特です。遠距離から安全に魔法だけを連発して敵を倒すような手法がとれないよう、「Bernie head(バーニーヘッド)」という状態異常が用意されています。強力な魔法を使いすぎるとプレイヤー自身の頭が燃え上がり、自傷ダメージを受ける仕様になっており、強引に接近戦のループへと引き戻される絶妙なバランス調整が施されています。

限界空間(リミナルスペース)とPS1風グラフィックが引き出す「本物の恐怖」

ソウルライクの舞台といえば、崩壊した中世の城や、毒の沼地、疫病が蔓延する街並みがお決まりです。しかし本作はそうしたありがちな設定を捨て、プレイヤーを「夢の世界」へと放り込みます。舞台となるのは、無人の学校の廊下や、海に浮かぶ不気味な街、すべてが蝋(ろう)でできた城といった「リミナルスペース(境界空間)」です。どこか見覚えがあるのに現実にはあり得ない空間が、心理的な不安と恐怖を強烈に煽ります。

ここで最大限に活きてくるのが、意図的に粗く作られたPS1風のグラフィック、いわゆる「Potato graphics(ポテトグラフィック)」です。敵の動きがカクカクしていたり、テクスチャがぼやけていたりするため、目で見て攻撃を避けるのが非常に困難です。その代わりに、プレイヤーは「音」に頼ることになります。

敵の攻撃を弾いたときの金属音や、回避不能な特殊攻撃の前に鳴る特徴的な効果音など、オーディオの合図が非常に明確に作られています。粗い映像の隙間をプレイヤー自身の想像力で補わせることで、最新のリアルなグラフィック以上の没入感と、正体のわからない不気味さを生み出しています。

コアゲーマーの熱狂的な反応と「コントローラー非対応」という重大な課題

デモ版をプレイしたジャンルの熱狂的なファンや、厳しい評価で知られるベテランプレイヤーたちからは、驚くほど高い評価が寄せられています。特に、環境を利用する敵AIの賢さは注目の的です。「Todd the Deacon」というボスは、決められたパターンの攻撃だけでなく、ステージにある扇風機や椅子を突然引き抜いて武器として振り回してくるため、プレイヤーは常にアドリブでの対応を迫られます。

さらに、マイナーなインディーゲームの発掘で絶大な影響力を持つ海外の有名YouTuber「Iron Pineapple」氏の動画で取り上げられたことで、本作の知名度は爆発的に跳ね上がりました。海外のコミュニティでの主な反応は以下の通りです。

  • 『SEKIRO』や『Bloodborne』などの名作を彷彿とさせる、滑らかで精度の高い戦闘システムへの賛辞
  • 夢の世界という設定と不気味なPS1風グラフィックが見事にマッチしているという評価
  • 装備する仮面によって敵のAI行動が変化するなど、奥深い謎解き要素への強い興味
  • 一部のボス戦における、不自然にプレイヤーを追尾する理不尽な挙動(トラッキングの不具合)への不満
  • マウスとキーボードでの操作を強制されることに対する、非常に強い改善要望

ダークソウル、SEKIRO、Khazan、そしてブラッドボーンを組み合わせたような作品だ。戦闘は非常にスムーズで、ボスの歯ごたえも申し分ない。

攻撃が当たった時の音が気持ちいいし、操作性も良い。ストレスシステムのおかげで、常に緊張感のあるプレイが楽しめる。

非常に好評な一方で、プレビュー段階だからこその深刻な課題も浮き彫りになっています。最大の懸念事項は「ネイティブのコントローラー(ゲームパッド)操作に非対応」である点です。デモ版はマウスとキーボードでのプレイを強いられており、コンマ1秒の入力精度が求められるソウルライクにおいて、これは致命的な摩擦要因です。また、「Grave Warden」という別のボス戦では、複雑な連続攻撃の最中にボスの動きが不自然にワープしてプレイヤーを追尾してしまうアルゴリズムの不具合も報告されており、早急な修正が求められています。

【まとめ】グラフィック至上主義へのアンチテーゼと8月の正式リリースに向けて

『Memoirium』は、「グラフィックがリアルであればあるほど良い」という現代の風潮に対して、真っ向から勝負を挑んでいる野心的なタイトルです。一見すると懐古主義の古臭いゲームに見えますが、その中身は驚くほど現代的で、シビアに計算されたアクションの集合体です。

リミナルスペースという奇抜な世界観、あえてのローポリゴン表現、そして敵の懐に飛び込むことを強要する斬新な戦闘システム。これらが完璧に噛み合い、すでに多くの熱狂的なファンを獲得しています。あとは、8月13日の正式リリースまでにコントローラーへの完全対応と細かな挙動の調整という「最後の仕上げ」がどこまで徹底されるかが鍵となります。インディーゲームの歴史に名を刻む傑作になるポテンシャルを十分に秘めており、今後の動向から目が離せません。

この記事の関連動画(YouTube) ▶ YouTubeで視聴する(日本語字幕)

0 件のコメント:

コメントを投稿